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計画的偶発性を心に留めて『「好きな仕事」は会社を辞めずにやりなさい!』

 

「好きな仕事」は会社を辞めずにやりなさい!

「好きな仕事」は会社を辞めずにやりなさい!

  • 作者:田中 和彦
  • 発売日: 2010/05/27
  • メディア: 単行本
 

 
今日はこの本を紹介します

3年経たずに辞めてしまう若者に向けての本ではありますが、ミドルキャリアの方や部下を持つ方にも参考になる本です

この本では「”今いる場所”でやりたい仕事を可能にする16のヒントと20のルール」と題していますが、数が多すぎるのと内容が重複しているものがあるので、この記事では集約して表現をしようと思います。全て詳細に知りたい人は本を購読してみてください


①会社を辞めずに「好きな仕事」に近づくための16のヒント

16個のヒントは大きくは3つに分類できます

Ⅰ.自分自身が好きな仕事を選べる立場なのかを冷静に見る

「近づくためのヒント」と言いつつ、いきなり洗礼を浴びせてきます。しかし言っていることは至極当然です。今の職場で成果を上げていない人が仕事を選べる立場にはなりません。まずは今やっている仕事で周囲に認めてもらうことを第一に考えるべきです

Ⅱ.計画的偶発性理論(Planned Happenstance Theory)を大事にする

スタンフォード大学のジョン・クランボルツ教授の提唱した理論です。特に20代の若手のビジネスマンについては、自分のやりたい仕事を決め打ちして行動するのではなく、任された仕事を一所懸命やることで偶然的に運命の仕事に巡り合えると言っています。「キャリアデザイン入門(1)」のいかだ下りでも同様のことが書かれています

・予期せぬ出来事が個人のキャリアを左右する
・予期せぬ出来事を避けるのではなく、起きたことを最大限に活用する
・偶然を積極的につくりだし、キャリア形成の力にすることが重要

最初はやりたいと思っていなかった仕事でもやっていく中で楽しみを見つけたり、新たな発見があるということを言っています

計画的偶発性は下記5つの特性を持っている人に起こりやすいと言われています

・好奇心:新しい学習機会を模索する
・楽観性:新しい機会を「実現可能」と捉える
・冒険心:結果が不確実でも行動に移す
・柔軟性:状況に合わせて新年、概念、態度、行動を変える
・持続力:めげずに努力ができる

本書の筆者も新しい仕事の募集があった際には、自分の負担が増えるにも関わらず積極的に立候補をしていたようです。本書は前章通してこの理論を中心に話が展開されています

Ⅲ.ポータブルスキルを身に付けて仕事を選べる人間になる

会社があなたを心底必要としていたら、あなたのやりたいことを応援してくれるようになります。辞められるよりはやりたい仕事を任せた方が良いからです。また能力が上がれば自分の今の仕事をやりつつ、新しい仕事を自分で作ってしまうこともできるようになります。そこで必要になってくるのがポータブルスキルです

仕事の能力はどんな仕事にも役に立つ「ポータブルスキル」と特定の仕事にしか役に立たない専門スキルに分類できます。一見すると専門スキルの先にキャリアがあるようにも思いますが、専門スキルの積み重ねだけではリスクがあります。今いる会社(部署)が潰れたり、その会社(部署)を出なければいけなくなった際に、新卒同様のスキルしか無いのであれば役立たずのレッテルが貼られてしまいます

稲盛和夫さんを思い浮かべてみると分かると思いますが、稲盛さんは多くの会社に経営者として参画しています。その会社は業界もビジネスモデルも違います。それでもいきなりトップとして参画できるのは稲盛さんに「経営力」というポータブルスキルがあるからです

自分のコアとなる、誰にも負けないスキルを身につけることで、自身が仕事を選べる立場に変貌を遂げることができるようになります


②「好きな仕事」に近づくための20のルール

20のルールも7つに分類ができます

Ⅰ.任された仕事はまずはやってみる

どんな仕事にも新たな気付きがあります。「その仕事は分かっている」と思っても意外と奥が深いこともあります。特に苦手な仕事は避けたくなりますが苦手な仕事を克服することで自分自身の新たな一面を見ることもあります。まずはやってみて「出来ることを増やす」ということが大事です。「あのときやっておけば良かった」とやらずに後悔するのではなく、まずはやってみましょう

Ⅱ.テーマ・方向性は絞る

計画的偶発性理論は「やみくもに何でもやること」ではありません。ある程度は自分自身で方向性を明確にした上で取り組んだ方がキャリアに繋がりやすくなります。これはランチェスター戦略とも言え、領域を絞ってNo.1になるとそれが自分自身のブランドになり、より仕事を貰いやすくなります。もし方向性が見つけられないという場合には、普段無意識に選んでしまうものや直感に頼るというのも良いでしょう

Ⅲ.高い目標を掲げてやる

できそうな仕事をやっていても成長はありません。相手の期待を超えるために敢えて自分自身に高いハードルを課すことで、それを超える努力をして成長に繋がります

Ⅳ.好きな仕事をやるためには犠牲も必要

一流になるにはひとつのことを1万時間やり続けないといけないと言われます。一日8時間でも5年かかる計算です。休み休みやっていたら10年かかっても一流になれないかもしれません。ワークライフバランスを国は推し進めていますが、そのマインドでは好きな仕事には辿り着けないでしょう

Ⅴ.やると決めたら情熱を持って取り組む

前向きに仕事をしていれば周りは見てくれていますし、困ったときに助けてくれるようになります。また常に「自分は●●がしたい」というのを発信していると、努力が認められた際にチャンスとなって戻ってくる可能性があります。チャンスはどこに転がっているか分かりません。チャンスは逃さないように行動しましょう

Ⅵ.上手く行かなくても冷静に俯瞰する

自分の生まれ持った性格や他人のせいにしても事態は好転しません。自分でコントロールできるものは何かを見極めて行動に移しましょう。ビジネスの世界に100%の正解は存在しません。自分なりの答えを見つけていく必要があります

Ⅶ.ゴールは次の挑戦へのスタート

ひとつの区切りがついたら、それは新たなスタートと捉えましょう。「好きな仕事」に終わりはないはずです。常に挑戦をし続ける姿勢があなたの能力を向上させます。またユニクロ柳井正さんは「1勝9敗」という本を書いています。人生に10勝0敗は無いし、仮に9連敗していたとしても最後に勝てば良いという気持ちを持つと良いでしょう


いかがでしたか?

誰もが「今の仕事で良いのか?」と迷うことはあります。ただ、今のあなたを構成しているのはあなたの選択の積み重ねです。他責にしたり青い鳥を追ったりするのではなく、今の仕事と向き合い、最後にやりたい仕事を掴み取って欲しいという願いが込められた本でした

ロジックツリー(分解の木)で問題解決『世界一やさしい問題解決の授業』

 

 

今日はこの本を紹介します

この本では4種類のタイプの人間がいると言っています

・どうせどうせ子ちゃん
・評論家くん
・気合でゴーくん
・問題解決キッズ

言わずもがな問題解決キッズ以外はダメと言いたいのですが、この4種類のタイプを「思考力×行動力」で分解するとキレイに分別できると思います

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思考だけでも行動だけでもダメということです

問題解決は成功体験です。成功体験を積むことでビジネスマンとして成長ができます。毎月1%の成長と10%の成長では3年後にどうなっているかと言うと、

毎月1%・・・143%
毎月10%・・・3091%

一目瞭然です

私はインプットだけでなく、アウトプットをすることで本当の意味でスキルが付くと思っています。読書家は多くいますが、実践に移している人は驚くほど少ないです。本を読んで出来た気になっているのでしょう

皆さんも本を読むだけでなく、その本で得た知識を実践としてやってみるようにしましょう

本編ではとにかくロジックツリー(本書では「分解の木」と呼んでいる)が最も基本的なツールとして紹介されています


①ロジックツリー(分解の木)で問題を分解

今起こっている現象を出発点に、その原因を網羅的に深掘りをしていく手法です。ポイントとしては分解した項目が「漏れなく、ダブりなく」になっていること。これをMECE(ミーシー、ミッシーなどと読む)と言います

最初からMECEに分解するのは難しいと思います。そういうときは「AかA以外か」で分類していくと上手くいきます。「○○を知っている人と○○を知らない人」がその例です


②目標から逆算して打ち手を講じる

目標の無い計画はビジネスの世界ではありえません。目標と立て、今とどれだけの乖離(ギャップ)があるのかを認識するところから始まります

 

自部門の売上目標が1000万円、今の予測が800万円なのであれば200万円の乖離を埋めることが目的になります


③問題の分析→打ち手の実行

ロジックツリーの理解、目標との乖離が認識できたら実際に使って問題分析をします

問題の分析は以下4つのフェーズがあります

A.問題のロジックツリーを作成
B.問題の要因の仮説
C.分析方法の検討(ヒアリング、アンケート)
D.分析の実行

下記はある商品の購入者の分類です。この本では下記の種類に分類をし、その人に対する問題の仮説を1つ出すという手法を取っていますが、実際のビジネスにおいては問題は1つとは限りません

 

「なぜ商品を知らないのか?」「なぜ商品を買ってくれないのか?」「なぜ商品をリピート購入してくれないのか?」それぞれの原因をロジックツリーで分析することが必要です

問題の分析を仕切らない内に打ち手の検討に入ってしまうと必ず失敗します。問題の深掘りは、やり過ぎなくらいがちょうどいいです

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打ち手の実行は以下3つのフェーズがあります

A.案を洗い出す
B.案を選択する
C.実行プランを作る
D.実行&チェックする

A.案を洗い出す際もロジックツリーが効果的です。問題の理由に対してどんな打ち手があるのか網羅しましょう

B.そして選択する際は「実効性×効果性」で判断をするようにしましょう。効果が高くても実行できなければ意味がありません。また実行はできても効果が無い打ち手は意味がありません。人の力を借りることで実効性や効果性が上がることもあります

また打ち手の効果は仮説でも良いので数字で置くようにしましょう。それぞれの打ち手の効果を合算した際に目標との乖離に届いていなければ打ち手が足りないということを意味しています

C.実行プランはガントチャートWBS)でタスクの抜け漏れやスケジュール遅れが無いように計画を立てましょう。WEB上でガントチャートのサンプルがたくさんあります。ご自身の好きなものを引用するといいでしょう

D.プランは言いっぱなし、やりっぱなしでは成果が上がりません。「ちゃんと実行されているのか」「想定通りの効果が出ているのか」を適宜モニタリングしていく必要があります。そのためにも「実行されているかのチェック方法」「効果のチェック方法」は事前に講じておくといいでしょう


問題解決の本は世の中に多数存在します。自分にあった本を探すと良いですが、前述の通り、読んで分かった気になってはいけません

必ず自身の抱える問題に対する解決策を実践してみましょう

定量で表現する入門書『「数字」で考えれば、仕事の9割はうまくいく』

 

 
今日はこの本です

今まであまり定量データに触れてこなかった人にとっては理解のしやすい入門書かと思います

ビジネスにおいては目の前に数多の課題があります。それを感覚的に対峙しても解決にはほど遠いです

どんな課題に対しても数字で表現をすることで解決に繋げられるというのがこの本の主張です

本編としては下記構成になっています
①数字を集める
②数字を分析する
③数字で問題解決をする
④数字を表現する

本記事では①~③について触れたいと思います

①数字を集める
まずは数字(情報)を集めるところからです

数字を集めるには
・アンケートなどで人から聞く
・加工されたデータを入手する
・自分で推定する
といった手法があります

そのいずれにおいても下記については注意をしなければいけません。特にアンケートデータは人の感覚に委ねられているため、取り扱いには特に注意が必要です

・回答者に偏りはないか?(世の中の人口分布から外れていないか?)
・回答者は本心を語れる状態になっているか?(悪い評価を付けづらい状態にはなっていないか?)
・質問の定義にあいまいさはないか?(解釈によって回答が異なることはないか?)
・近日効果は起こっていないか?(最近起こったことが強く反映されるようにはなっていないか?)
・季節要因は加味されているか?(特定の季節に数字が高くことは考慮されているか?)


また情報を収集する上での注意もあります

・収集に時間をかけ過ぎない
どんなにがんばっても100%正確な情報を得ることはできません。そもそも「正確な情報」ということ自体が存在しません

よく「ニッパチ」と言われますが2割の時間をかければ必要な情報の8割が手に入ると言われています。逆に残り2割を埋めるには8割の時間が必要と言うことです

情報収集は期限(時間)を決めて取り組み、どうしても集めきれなかった場合には「後でやる」と割り切るか、自分で推定する(フェルミ推定)ということが重要になってきます

②数字を分析する
数字が集まったらいよいよ分析です。ここで重要なのは

「数字を分析する」=「比べること」

ということです

出てきた数字単体で意味を持つことはなく、必ず何かと比較することによって数字が意味を成します

比較対象は
・ヨコ(競合、別部署)と比べる
・過去と比べる
・目標(想定)と比べる
があります

他にもいくつか注意点をあげておきます

・相関と因果は違う
「Aが増えるとBが増える」という事実があったとしても「AがBに影響を与えている」とは限りません

・絶対値だけで判断せずに割ってみる
同じ1億円の売上があったとしても、5名で1億円と10名で1億円では意味が異なります


そして分析をする上でとても重要なのは「過去の数字がどうであったかではなく、未来がどうなるのか」ということです

データ分析をする理由は課題解決です。そして課題解決は未来のためにあります。過去の重要数字が未来も重要であるとは限りません

次に重要指標となる数字は何なのかというのは常にアンテナを張っておかなければならないのです


③数字で問題解決をする

この本は問題解決の本では無いので、具体的な問題解決については触れられていませんが、分析されたデータを扱う上での注意点が記されています

・出てきたデータが正しいとは限らない
「給与が低いのが不満」というアンケートが従業員から出てきた際に、全員の給与を上げれば解決するのか?という問題です。仮に不満の原因が「実力で差が出ない」ことなのであれば、全員同じ額の給与を上げたとしても不満は解消されないでしょう

・1つの問題を解決すると別の問題が出てくることがある
税収対策のためにタバコ税をあげたとしても禁煙者が増えることで税収が減る可能性があります(これは一つの例なので、その分医療費が減るかもしれないといったことは考慮していません)

・問題解決は「効果性」と「実現性」で優先順位を付ける
様々な問題解決の本でも出てくる内容ですが、全ての課題に対する全ての打ち手は同時には実行できません。解決できない課題さえありえます。有限なリソースを投下するのであれば、実現性があって効果性が高いものを優先的にやるのが鉄則です

・課題解決をしたとしても数字は直線的には伸びない
ダイエットでもありますが、最初は順調に効果が出ていたのに急に踊り場にくるタイミングがあります。一番苦しいタイミングですがここで手を止めて別の打ち手に移ってしまうとそれまでの効果が無になってしまうこともあります

・ブレイクスルーポイントがある
逆に一定の数字を超えると一気に数字が伸びるということもあります。マーケットの16%が利用をすると一気に伸びるというものです。これはイノベーター(3.5%)+アーリーアダプター(12.5%)の合計が16%であることとも関係しています。16%のキャズム(溝)を超えると数字が爆発するのです


いかがでしたでしょうか?
みなさんは今どんな課題を持っていますか?早速数字で表してみましょう


他人の人生では無く、自分の人生を生きる『頭に来てもアホとは戦うな!』

 

 

今日はこの本を紹介します

タイトルからも分かる通り「あなたの周囲にいるアホとは争うな」という本です

実はこの本は下記のような構成になっています

続きを読む

「MECE」「ロジックツリー」という言葉を使わずに解説『たった2つの質問だけ!いちばんシンプルな問題解決の方法』

今日はこの本を取り上げます

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たった2つの質問だけ!いちばんシンプルな問題解決の方法/諏訪良武著
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ロジカルシンキングの基本である
MECE(ミーシー)
・ロジックツリー
をその言葉を使わずに解説をしている本です

この本自体は平易な事例で解説しているためどうしても物足りないと感じる人は出てくるでしょう

それでも1冊(約150ページ/挿絵も多いので体感100ページ以下)まるごと「MECE」「ロジックツリー」に費やしているおり考え方の基礎は身に付きます

新入社員の方にとっても自身の仕事が上手く行かないと感じたときに1人で問題解決を試みる際にもヒントとなる本だと言えます

それでは本の解説に進みます

この本では
・タテの質問
・ヨコの質問
という言葉で「MECE」「ロジックツリー」を語っています

①タテの質問「その原因を1つあげてください」

トヨタ自動車の「なぜなぜ5回」を事例に出しており問題に対して「なぜそうなるのか」を深掘りしていきます

事例をあげてみましょう
あなたは営業マネージャーだと仮定をして読み進めてください

「部下の仕事が見えなくなった」という問題解決をします

Q.「その原因を1つあげてください」
A.「部下とのコミュニケーションが減ったから」

1段階問題が深掘りされました
しかしこれでは問題は解決できません

「コミュニケーションを増やせばいいじゃないか」と思う方もいるかもしれません

しかし「コミュニケーションが減った理由」が「忙しくて時間が無いから」だったとしたら「コミュニケーションを増やす」ことはできますか?

この段階で解決策に移るのではなく「コミュニケーションが減った理由」を明らかにする必要があるのです

もう1度タテの質問をしてみましょう

Q.「その原因を1つあげてください」
A.「先月から定例ミーティングを開いていないから」

さらにもう1度タテの質問をしてみましょう

Q.「その原因を1つあげてください」
A.「期が変わったので自分や部下の予定を押さえておくのを失念していたから」

ここまでくれば解決策に移れます

忙しくて時間が無かったわけではなく各自の予定を押さえていなかったというのが原因だったので

解決策「毎週月曜10時に定例ミーティングを開催すると決める」

となります

このように「解決できるところまで問題を深掘り続けること」がタテの質問なのです

タテの質問により1つの解決策が生まれたら次にヨコの質問に移ります


②ヨコの質問「その原因が解決できると、この問題はすべて解決できますか?」
タテの質問で解決した原因に対して「他に原因がないか?」を探ります
MECE」「ロジックツリー」はタテの質問とヨコの質問で完成します

状況を整理するためにタテの質問の経過のおさらいです

問題「部下仕事が見えなくなった」

原因1「コミュニケーションが減った」

原因1-1「定期ミーティングが無くなった」

原因1-1-1「定期ミーティングの設定を失念していた」

解決策「定期ミーティングを設定する」

定期ミーティングを設定することで
原因1-1までは解決できました

それでは「定期ミーティングが開催されればコミュニケーションが減った」ことは全て解消できるのでしょうか?
これがヨコの質問です

Q.「その原因が解決できると、この問題はすべて解決できますか?」
A.「いえ、ノミ(飲み)ニケーションが無くなったから」

別の要因が見つかったら改めてタテの質問に移ります

Q.「その原因を1つあげてください」
A.「コロナによって飲み会が禁止されているから」

これは解決が難しい問題です
(「Zoom飲みをすれば?」という意見もあると思いますがここでは「対面飲みに意味がある」という前提で解説をします)

このように「解決ができない問題」というものも存在します
その場合は無視をしてもう一度ヨコの質問をします

Q.「その原因が解決できると、この問題はすべて解決できますか?」
A.「いえ、部下との1on1ミーティングをしなくなったから」

さあ次は?タテの質問ですね
Q.「その原因を1つあげてください」

このようにタテの質問を繰り返し「解決策が見つかる」か「解決が不可能である」のどちらかにたどり着いたらヨコの質問に移る

これを繰り返していくことで問題解決をしていくことができます

この記事で最後までいくのは難しいのでここまでにしますが本を読んでいただければ最終的なロジックツリーまで見ることができます


最後にこの手法を使う上での私なりのポイントだと思う点をお伝えします

Point1
ヨコの質問「その原因が解決できると、この問題はすべて解決できますか?」は「他に何か原因はありますか?」とは違う

「他に」という言葉は人の思考を停止させます
発想力のある人は「他には?」でもポンポン意見がでることもありますが「他に」と言われた瞬間「思い付いたら出す」という思考になり本気で問題解決をしようと思えなくなります

「本当にこれだけで問題は解決ですか?」と問われると「はい」とは簡単に言えなくなり本気で考えるようになります
人の心理を上手くついた聞き方です


Point2
大人数の会議で意見を聞く場合は指名をする

Point1とも近い話で「他に意見のある人はいませんか?」と言うとみんなダンマリになってしまうものです

そういうときは「〇〇さんはいかがですか?」と指名をすれば「意見が無いとも言えないし、下手なことも言えない」と問題に対して本気で向き合う心理になります


Point3
解決策は「効果性」×「実現性」で優先順位を決める

解決策が出そろったら早速アクションに移りますが全ての解決策を同時にはできません

その場合は「効果性が高く実現性が高い策」を優先させましょう
効果性が高くても実現できそうにない策や実現はできるが高価性の低い策はやっても意味がありません


いずれも頭ではみなさん理解できると思いますが実際やってみるとできないものです

一度は身近な課題でやってみるようにしましょう