新任マネージャーのためのビジネススクール

新しくマネージャーになった方、マネージャーを目指している方、一緒にビジネスを学んでいきましょう

『仕事をしたつもり』を無くそう

 

仕事をしたつもり (星海社新書)

仕事をしたつもり (星海社新書)

 

 
今日はこの本です

時間だけ使って、中身・成果が出ないということを無くそうというテーマで書かれています。言われてしまうと当たり前なのですがなかなかできないのが人間です。1回読んで「明日から行動を見直そう」ではなく、定期的に見直すということをやっていった方が良いでしょう

①「量は多い方が良い」ではない

量は測りやすく、質は測りにくいものです。そのためどうしても量が多い方が表面的な評価はされやすくなります。しかしそこに落とし穴があります。量が多い方が評価されがちな事例を見てみましょう

Ⅰ.提案資料

クライアントに説明をする際に大量の資料を持っていく人がいますが、情報を与えれば与えるほど相手の注意力が散漫になり、本当に伝えたいことが耳に入らないということがあります。ずっと資料ばかり見て、プレゼンテーションをしているこちらを見てくれていないようであれば要注意です

そんなときに「資料はできるだけ少なく、できれば1枚で」というのは聞いたことがある人もいるかと思います。ただし「1枚」というのは「本来50ページの資料を1ページにまとめる」ということではありません。あくまでサマリーとなるものを1枚お渡しし、残りは求められた際に出せるように忍ばせておくということです。忍ばせておくのは資料・データはフォーマットを揃える必要はなく、ありもののままでOKです(加工の時間をゼロにする)

こうすることで常に顧客は自分を見てくれるようになり、プレゼンテーションが会話の場になります


Ⅱ.読書

「年間100冊ビジネス書を読みました!」は確かにすごいことです。充実感もあるでしょう。ただし数を追いかけるようになると質が疎かになるのが定石です。100冊読んだ人はその何%を語れるでしょうか?

本を読むことはインプットです。インプットは大事な行為ですが仕事で成果を出すのは全てアウトプットになります。読むことで満足をしてしまいアクションに移らない(移すことができない)のでは意味がありません

1冊でも良いので本の全てを理解し、実践(アウトプット)に移すことができればその方が成果には繋がりやすくなります。この本の中では、本の主張に対して、納得がいかなかったことを本にどんどん書き込みをし(ケンカ読法)をすると頭に入りやすい、と紹介をされています

私は本に書き込むのは抵抗があるので、本ブログのように要点をまとめて文字に書き起こすということをやっています。ビジネス書は1冊5万文字~10万文字くらいあるのを本ブログは2000~3000文字にまとめています。作成には読書時間とは別に1~2時間かかっていますが、ブログに書くことで著者の言いたいことを結晶化することができるので非常に頭に入りやすく、文字数も数%に圧縮してあるので読み返すのも楽です


Ⅲ.KPI

営業の方は売上数字の手間にKPI(Key Perfomance Indicator)を追っている人が多いと思います。架電数や訪問数がそれに当たります。KPIは過去の成功例から、「架電を50件すれば1件アポが取れる、アポが10件取れれば契約が1件取れる」という情報を元に目標数字から逆算して架電数のノルマが課されるというのが一般的です

ある意味正しい行為ではありますが、KPI信者になって部下をマネジメントしてしまうと、部下は「数をやることが目的」になります。「1日100件架電をしろと言われたので1回の架電を早く終わらせてすぐ次の架電をしよう」「1日2件訪問をしろと言われた。あの会社は買う気は無いけれど暇そうだから話は聞いてもらえるので行ってこよう」などです

KPIはその数字の量にだけに意味があるわけではなく、一定の質を伴った量をやることに意味があります。なぜそのKPIになったのか、設定された背景を理解して行動することが重要になります


②形だけ取り繕っても意味がない

商談時にヨコ文字やアルファベットの略称を使う人がいます。カッコ良く見えるのですがもし相手がその言葉を知らなければ、意味がありません。質問をしてくれれば説明をするチャンスが生まれますが日本人は「知らないことは恥」と捉える人は多く、そのままにされる可能性もあります。それ以降の説明が全て分からなくなり、商談が何の意味も成さないということにも成りかねません

ビジネスモデルも同じです。ビジネスモデルはあくまでハコであり、重要なのは中身(コンテンツ)と実行する人です。新しい成功モデルが知れ渡っても全ての企業が儲からないのはそこに気付いていないからです


名取洋之助というカメラマンがいました。第一次世界大戦後のドイツ・ミュンヘンでは街が火災で崩壊状態でした。その風景を撮影するカメラマンも多数おり、名取氏もその一人でした

多くのカメラマンが家事や事故、犯罪の瞬間を撮影していましたが、名取氏は焼け落ちた美術館を見る置いた芸術家を撮ったそうです。家事の辛さの本質は「大切なものを失う悲しみである」にあると考えたのでしょう。彼はウルシュタイン社というヨーロッパを代表する出版社に採用されました

しかし後日談として、名取氏の写真は彼の妻が撮影したと発覚します。それを知り、ウルシュタイン社は彼を解雇しようとしましたが、名取氏は「こんな写真は誰でも撮れる。あなた方が欲しいのは写真を撮る手が必要なのか?本質を見極める目が必要なのか?」と言ったそうです


③1人の要望を通すことで周囲への影響度を落とす可能性がある

あなたの部下に過剰なものを求めてくる人はいませんか?面倒なのでついついその人の主張を通して早く終わらせてしまおう、と思ってしまいがちです

しかしその主張を通してしまうと、その人は次もその主張が通ると確信をします。そして周囲の人は「自分もその主張が通せる」もしくは「あの人(あなた)はわがままな人に甘く、真面目な自分が損をしている」と考えるようになり、あなたに対する不信感が生まれます

周囲の人は面倒な部下に対してあなたがどう対処をするのかを見ています。そしてその対処の方法によってあなたを評価し、今後の行動を変えると思った方が良いでしょう。どちらを大切にすべきかは一目瞭然です

「面倒な部下しか分からないことがあるから強く言えない」というケースもあるでしょう。その場合の鉄則は「その人しか知らないことを剥がし、剥がし終わったら行動を改めるように強く求める」です

面倒な部下は自分に価値があるのであなたは強く言ってこないと慢心をしています。あなたは上司特権でその価値を奪ってしまえば良いのです。他の人でも出来るようになれば後は簡単です。行動を変えることを強く求め、変われないのであれば会社を去るように促す

残酷なようですが、それが組織のためであり、その面倒な部下のためにもなると思います


いかがでしたでしょうか?あなたは「仕事をしたつもり」になっていませんでしたか?一度自分の一日の行動を見直してみましょう