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一流を目指す人に『社長になれる人、なれない人』

 

社長になれる人、なれない人 (ベスト新書)

社長になれる人、なれない人 (ベスト新書)

  • 作者:小宮 一慶
  • 発売日: 2015/10/24
  • メディア: 新書
 

 
今日はこの本です

タイトルを見ると社長になる前提に見えますが「一流になるために」と置き換えても良いかと思います

まず「社長には社長の仕事がある」というのがポイントです

社長の仕事は
・事業の方向付けをする(戦略を立てる)
・資源の最適分配をする
・人を動かす
の3つがあります

会社によっては社長なのに部長の仕事を、部長なのに課長の仕事を、課長なのに平社員の仕事をしているケースがあります。これでは事業の飛躍はありません

また稲盛和夫氏は経営者の素養として「考え方、熱意、能力の3つがある。熱意や能力は0~100だが、考え方はー100~100である。どんなに熱意、能力があっても考え方がマイナスであれば社会に悪影響をもたらす」と言っています。この本では社長になるための54の金言と題して3つの要素に対する考えが述べられています

それでは3つの要素を見ていきましょう

①考え方

・素直に謙虚に学ぶ姿勢

社長は偉い、絶対的と勘違いしてしまうポジションですがあくまで一人の人間です。社長の考えが絶対的に正しいということはありません。だからこそ例え平社員の意見だとしても耳を傾け、衆知集めて意志決定をするという姿勢が大事になります

役職者に付く前も、先輩の意見をしっかり聞き、メモを取り、まずは真似をしてみる、というのが必要です。「守破離」という考え方があるように、まずは先人の知恵を守るということから始めるのが良いのでしょう

・失敗は自責で捉える

ビジョナリーカンパニー②(ジム・コリンズ著)にて「偉大になった会社の経営者は失敗をした際に鏡を見る、偉大になれなかった会社の経営者は窓の外を見る」という記述があります。事業をやる上で成功も失敗も当然あります。そのときに他人の責任(窓の外を見る)とするのではなく、自分の責任(鏡を見る)とすることが偉大な企業への第一歩であると言っています

7つの習慣(スティーブン・コビー著)でも「今の自分を選択しているのは自分である」「自分ではコントロールできないことに固執するのではなく(関心の輪)、自分がコントロールできることに注視をしなさい(影響の輪)」という内容があります。両書は同じことが言いたいのだと思います

この本では幾度も「論語老子を読みなさい」と出てきます。何世紀も前に書かれた「正しさ」を原理原則として理解して欲しいという思いがあります


②熱意

・努力、勉強をし続ける

この時代、新しいテクノロジーは日進月歩で生まれています。人は努力をしなくなった瞬間、その速さについていけなくなり周囲に追い抜かされてしまいます。「仕事や勉強よりも娯楽の方が面白い」という気持ちはもちろん分かりますが、「社長を目指すなら」という観点では捨てなければいけないものもあります。特に朝早く起きて勉強をするのが効率が良いとこの本では語られています

・自分への投資をする

自分で稼いだお金はどう使おうと自由です。しかし一流を目指すのであれば使い方も考えた方が良いと言うことです。一流のサービスを受けてみる、新しいテクノロジーを試して見る、時間効率化のためのツールを購入してみる、人にプレゼントを送ってみるなど、次に繋がるお金の使い方をしてみるのも良いかと思います


③能力

・鳥の目で俯瞰的に物事を見る

「鳥の目、虫の目、魚の目」という言葉があります。いずれも大事な視点ですが経営者は特に鳥の目が必要になります。部分的には良かったものが全体を見たときには綻びが出るというのは良くあることです。特に財務指標は見れるようになると良いでしょう。B/S、P/L、C/Fがどうなっているかによって経営の状態が分かります

・人に好かれる

人に好かれるのも能力です。自分が困っているときに助けて貰えるかは普段の行動にかかっています。誰にでも気持ちの良い挨拶をする、独りの人がいたら声をかけるなど、小さなことでもコツコツやっていくことで人間関係は作られて行きます。人は自分からは声をかけられない生き物です。だからこそ声をかけてもらえると嬉しいはずです


いかがでしたでしょうか?
「社長になるには」という本にも思えますが、どれも「経営者だから必要な素養」というわけでは無かったと思います。一流のビジネスマンになるためにもこれらを磨いていきましょう