新任マネージャーのためのビジネススクール

新しくマネージャーになった方、マネージャーを目指している方、一緒にビジネスを学んでいきましょう

自分自身を差別化プロデュース『30歳からの成長戦略』

 

[新装版]30歳からの成長戦略

[新装版]30歳からの成長戦略

 

 

今日はこの本です

あなたは今おいくつでしょうか?年齢に見合った能力が身に付いていると実感できているでしょうか?闇雲にスキルアップセミナーや資格獲得に励んでいないでしょうか?

この本は「30歳になったが自分の強みが分からない。今後どうしていこう、、、」と悩んでいる方にお勧めです

現代はモノに溢れています。モノを作れば売れていた時代から、価値を提供しないと売れないという時代に変わりました。そこそこのモノがそこそこの価格で買える。値下げ競争では大企業には勝てません。ヒト(ここでは仕事人)も同じことになっています

ロジカルシンキングファイナンス、ストラテジーなど「ビジネススキル」に関する本やセミナーは数多あり、それができないと仕事にならないと脅されます。間違ってはいないのですが、過去からある知識は陳腐化していきます。できていないからと言って、それをマスターするために膨大な時間をかけたとしても待っているのは「並」のビジネスパーソンです

ではどうすればいいか?最低限のビジネススキルを持ち、かつ社会にイノベーションを起こす可能性のあるスキルを持った人(この本では「実力派天邪鬼」)になれば良いのです

ビジネスパーソンマトリックス
ビジネススキル無し×イノベーション無し=普通のビジネスパーソン
ビジネススキル有り×イノベーション無し=勉強家ビジネスパーソン
ビジネススキル無し×イノベーション有り=変わり者
ビジネススキル有り×イノベーション有り=実力派天邪鬼

イノベーションはまだ社会に一般化されていないものから起こります。「今は人気が無い」×「自分が好きになれる」ものを選んでとことん突き詰めることで実力派天邪鬼に近づけます

この本ではイノベーションの見つけ方は書かれていません

・最低限のビジネススキルをどう効率よく身に着けるか
・自分がひとつのビジネスを担う際にどういうスタンスで臨むべきか

についてがメインになっています

①ビジネススキルの効率的習得方法

Ⅰ.アウトプット志向学習法

最低限必要なビジネススキルについては、各スキルに関する名著を1冊ずつ読み(斜め読みで可。どこに何が書かれているか後から振り替えれれば良い)、あとは実践で使う際に戻ってきて使いながら(アウトプットしながら)習得するという方法です

<最低限必要なビジネススキル>
ロジカルシンキング
・インベストメント
ファイナンス
マーケティング
・コーポレートストラテジー

本をたくさん読む勉強家はいますが、実践で使えるかは別の問題です。じっくり読んだとしても本に書いてあることを全て使えるとは限りません。「読めと言われたからとりあえず読んだ」本の知識ならなおさらです

「アウトプットの機会が無い」という方についても
・自分で手をあげて取りに行く
・任された仕事に+αをする
・他の人の仕事を手伝う
・自分で課題を見つけて勝手にやる
など、いくらでもチャンスはあります


Ⅱ.アウトプット志向学習法時のポイント

アウトプット志向学習法をする際のポイントです。1つ1つは当たり前のことですが、つい忘れがちになってしまうので常に意識をするようにしましょう

・全体→部分へ(目的→タスクへ)
・過去の実績は捨てゼロベースで考える
・サンクコストにこだわらない
・相手の目線に立ってものごとを考える、表現する
・批判では無く対策を出す(できていないことでぇなく、できていることに目を向ける)


Ⅲ.時間の管理

時間の効率的な使い方はスケジュールの管理からです

・2週間先までイメージをして1日のタスクに落とし込み、1日に何度も見返す
・15分の隙間時間を無駄にしない
・寝る前に題材となる情報をインプットしておく
・集中と弛緩のバランスを取る

といったことが重要になってきます


②ビジネスに向き合うスタンス

Ⅰ.論理思考と全体思考の融合

一般的にビジネスでは論理思考(ロジカルシンキング)で物事を組み立てます。しかし論理思考は以下の弱点があります

・面白くない答えになる
・人の感情を動かせない
・現実的じゃない答えになる

論理は合理でもあり、全ての人が合理的に物事を判断した場合、同じ答えに行きつくことになります。面白みもなく、ワクワクすることもないため人の感情を動かせないこともあります。また人は全ての情報を持って完全に合理的に動くわけではありません。合理的に見れば正しい回答が、実際の人間の行動にとっては非現実的な答えになってしまうこともあります

そこで「全体思考法」です。カリスマ経営者が圧倒的な現場感を持ち、事業や組織の全体から直観的に物事を判断する考え方です。この本では「説明ができないため再現性が無い」と説明されていますが、私は「システム思考」にヒントがあると思っています

事業・組織で起こっていることを一つの大きなシステムと捉えて、各事象の関係性を図解する方法です。論理思考と違い、必ずしもMECEにはならないものの、ある部分を動かすとどこに影響が出るのかが俯瞰的に分かります


Ⅱ.不変の原理・原則を学ぶ

哲学、心理学、宗教、歴史などリベラルアーツを学ぶのもビジネスを運営するには大事です。これらには長い年月、変わらない原理・原則があります。もちろんこれらを学ぶのは簡単ではありません。斜め読みやマンガでの解説本でも良いので触れていくのが良いでしょう

※この本はここで若干の矛盾を感じます。一般的なビジネススキルはそれだけで差別化ができないため最低限を学ぶという内容がありましたが、リベラルアーツを学ぶとなると相当な時間がかかる上に差別化が図れるのか?というのは疑問が残ります


Ⅲ.欲と無欲の考え方

欲は物事を動かすドライバーになります。しかし自分に対する欲は他者との軋轢を生みます。ここで大事になるのは「自身に対しては無欲、他者の幸せを強く願う欲を持つ」という考え方です

利他的遺伝子は人間だけに備わっており、それがあったから人間は氷河期も他者と協力して乗り切れたと言われています。他者に対する貢献意欲が結果的に自身の成功の近道となります

時間、金、人脈は作ろうと思って作れるものではありません。相手への貢献をもって自然についてくるものと考えた方がいいでしょう



いかがでしたでしょうか。あなたは「実力派天邪鬼」になれますか?