「MECE」「ロジックツリー」という言葉を使わずに解説『たった2つの質問だけ!いちばんシンプルな問題解決の方法』
今日はこの本を取り上げます
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たった2つの質問だけ!いちばんシンプルな問題解決の方法/諏訪良武著
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ロジカルシンキングの基本である
・MECE(ミーシー)
・ロジックツリー
をその言葉を使わずに解説をしている本です
この本自体は平易な事例で解説しているためどうしても物足りないと感じる人は出てくるでしょう
それでも1冊(約150ページ/挿絵も多いので体感100ページ以下)まるごと「MECE」「ロジックツリー」に費やしているおり考え方の基礎は身に付きます
新入社員の方にとっても自身の仕事が上手く行かないと感じたときに1人で問題解決を試みる際にもヒントとなる本だと言えます
それでは本の解説に進みます
この本では
・タテの質問
・ヨコの質問
という言葉で「MECE」「ロジックツリー」を語っています
①タテの質問「その原因を1つあげてください」
トヨタ自動車の「なぜなぜ5回」を事例に出しており問題に対して「なぜそうなるのか」を深掘りしていきます
事例をあげてみましょう
あなたは営業マネージャーだと仮定をして読み進めてください
「部下の仕事が見えなくなった」という問題解決をします
Q.「その原因を1つあげてください」
A.「部下とのコミュニケーションが減ったから」
1段階問題が深掘りされました
しかしこれでは問題は解決できません
「コミュニケーションを増やせばいいじゃないか」と思う方もいるかもしれません
しかし「コミュニケーションが減った理由」が「忙しくて時間が無いから」だったとしたら「コミュニケーションを増やす」ことはできますか?
この段階で解決策に移るのではなく「コミュニケーションが減った理由」を明らかにする必要があるのです
もう1度タテの質問をしてみましょう
Q.「その原因を1つあげてください」
A.「先月から定例ミーティングを開いていないから」
さらにもう1度タテの質問をしてみましょう
Q.「その原因を1つあげてください」
A.「期が変わったので自分や部下の予定を押さえておくのを失念していたから」
ここまでくれば解決策に移れます
忙しくて時間が無かったわけではなく各自の予定を押さえていなかったというのが原因だったので
解決策「毎週月曜10時に定例ミーティングを開催すると決める」
となります
このように「解決できるところまで問題を深掘り続けること」がタテの質問なのです
タテの質問により1つの解決策が生まれたら次にヨコの質問に移ります
②ヨコの質問「その原因が解決できると、この問題はすべて解決できますか?」
タテの質問で解決した原因に対して「他に原因がないか?」を探ります
「MECE」「ロジックツリー」はタテの質問とヨコの質問で完成します
状況を整理するためにタテの質問の経過のおさらいです
問題「部下仕事が見えなくなった」
↓
原因1「コミュニケーションが減った」
↓
原因1-1「定期ミーティングが無くなった」
↓
原因1-1-1「定期ミーティングの設定を失念していた」
↓
解決策「定期ミーティングを設定する」
定期ミーティングを設定することで
原因1-1までは解決できました
それでは「定期ミーティングが開催されればコミュニケーションが減った」ことは全て解消できるのでしょうか?
これがヨコの質問です
Q.「その原因が解決できると、この問題はすべて解決できますか?」
A.「いえ、ノミ(飲み)ニケーションが無くなったから」
別の要因が見つかったら改めてタテの質問に移ります
Q.「その原因を1つあげてください」
A.「コロナによって飲み会が禁止されているから」
これは解決が難しい問題です
(「Zoom飲みをすれば?」という意見もあると思いますがここでは「対面飲みに意味がある」という前提で解説をします)
このように「解決ができない問題」というものも存在します
その場合は無視をしてもう一度ヨコの質問をします
Q.「その原因が解決できると、この問題はすべて解決できますか?」
A.「いえ、部下との1on1ミーティングをしなくなったから」
さあ次は?タテの質問ですね
Q.「その原因を1つあげてください」
このようにタテの質問を繰り返し「解決策が見つかる」か「解決が不可能である」のどちらかにたどり着いたらヨコの質問に移る
これを繰り返していくことで問題解決をしていくことができます
この記事で最後までいくのは難しいのでここまでにしますが本を読んでいただければ最終的なロジックツリーまで見ることができます
最後にこの手法を使う上での私なりのポイントだと思う点をお伝えします
Point1
ヨコの質問「その原因が解決できると、この問題はすべて解決できますか?」は「他に何か原因はありますか?」とは違う
「他に」という言葉は人の思考を停止させます
発想力のある人は「他には?」でもポンポン意見がでることもありますが「他に」と言われた瞬間「思い付いたら出す」という思考になり本気で問題解決をしようと思えなくなります
「本当にこれだけで問題は解決ですか?」と問われると「はい」とは簡単に言えなくなり本気で考えるようになります
人の心理を上手くついた聞き方です
Point2
大人数の会議で意見を聞く場合は指名をする
Point1とも近い話で「他に意見のある人はいませんか?」と言うとみんなダンマリになってしまうものです
そういうときは「〇〇さんはいかがですか?」と指名をすれば「意見が無いとも言えないし、下手なことも言えない」と問題に対して本気で向き合う心理になります
Point3
解決策は「効果性」×「実現性」で優先順位を決める
解決策が出そろったら早速アクションに移りますが全ての解決策を同時にはできません
その場合は「効果性が高く実現性が高い策」を優先させましょう
効果性が高くても実現できそうにない策や実現はできるが高価性の低い策はやっても意味がありません
いずれも頭ではみなさん理解できると思いますが実際やってみるとできないものです
一度は身近な課題でやってみるようにしましょう