新任マネージャーのためのビジネススクール

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自分の価値を見つめなおす『下剋上転職』

 

下剋上転職

下剋上転職

  • 作者:安井元康
  • 発売日: 2015/07/24
  • メディア: 単行本
 

 
今日はこの本です

先日「転職しないで好きな仕事を手に入れよう」という話をした矢先で「転職しろというのか?」という疑問もあるかと思います

計画的偶発性を心に留めて『「好きな仕事」は会社を辞めずにやりなさい!』 - 新任マネージャーのためのビジネススクール


ただし、両書籍は全く違うことを言っているのではありません。自分の幸せを定義するのは自分であり、それに近づくための最良の選択をして欲しいという主張です

 転職をすることも、転職をしないことも一つの選択肢に過ぎません。この本では「転職をする場合には~」という視点で論じています

①「転職活動=転職」ではない

この本の主張の中で重要なメッセージの一つです。転職は「さぁ、転職をしよう(いつまでに転職をしよう)」と思い立ってやるものではなく、常に「自分の力が最も活かされる環境はどこか?」を模索し続けることが重要と言っています

外の環境に目を向けることで自分の本当の価値観に気付けたり、自分の市場価値を見つめ直すことができるようになります。「常に転職活動をしていて、良い機会に巡り合えたら転職をする」というのが良いのでしょう

②市場価値の高い人の条件

転職市場において市場価値の高い人の特徴は大きく下記3つです

Ⅰ.キャリアの中で主体的なストーリーを語れる

会社に所属している以上、人事異動は必ずしも思い通りにはなりません。ただその中でも自身のキャリアを構築するためにどういう行動をしてきたのかが語れることが重要です。それは転職をしたことがある人も無い人もです

Ⅱ.ポータブルスキルを持っている

過去所属していた組織でしか使えない専門的スキルでは無く、どんな会社、どんな業界、どんな職種だとしても汎用的に使えるスキルがあるか、それは他人と差別化が図れているかが重要になります

Ⅲ.再現性のある成果を残している

過去の成果が輝かしいものであれば当然アピールになりますが、再現性があるか否かが転職においては見られます。同じ業界・同じ職種への転職だとしても全く同じ仕事と言うことはありません。その成果が偶然ではなく、新しい環境でも出来るということを客観的に話せる必要があります

Ⅰ~Ⅲを語れるようになるには、日々の仕事に対して目的を持って取り組むことや、自ら高い目標を掲げて達成することを意識的にやっていくことが大事になります

③転職活動の情報集め

転職活動時に企業の情報を集める方法は以下のようなものがあります

・企業に直接コンタクトを取る
大手企業の役員などでなければSNSなど何かしらの形で接点を持つことはできる世の中です。ただ相手も暇ではありません。本当に転職をするかどうかは別としても、その企業に対する純粋な興味を提示しないと迷惑になってしまいます

・転職エージェントに聞く
興味がある求人を持っているエージェントであれば情報を提供してくれます。ただし転職エージェントにはプロとはほど遠い人もいます。全てを鵜呑みにするのではなく、複数の意見を聞くなど、自分の目で見極める必要があります

有価証券報告書やIRを見る
上場企業であれば従業員数や平均年収、組織図などの開示が義務付けられています。同業他社と比較することで何に力を入れているのか、大事にしていることは何かなどが分かるでしょう


いかがでしたでしょうか?

冒頭にも言いましたが「転職は自分の幸せを手に入れるための選択肢の一つ」であり、転職自体がゴールではありません。「この会社に入れれば良い」と考えるのではなく、「この会社で得た知見で何をするのか」まで考えて会社選びをして欲しいと思います

そして実際に選ぶ会社は「自分が株主だった際に投資をし続けたい会社か」という観点は忘れないようにしましょう。自分がお金を出してまでは応援したくないという会社にあなたは入りたいですか?